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ソラージュ(Solage 14世紀末に活躍 1403年以降没)は、フランスの作曲家で詳しいことはわかっていない。アルス・スブティリオル(※)の一次資料とされる『シャンティー写本』に作品が収録されている。様式的には、多くの作品が1380年代や1390年代の音楽の典型であり、大規模形式により多くの関心を示している。長大な作品をまとめ上げるのに、変奏の技法が多用された。いくつかの作品は実験的であり、たとえば風変わりなロンドー《燻った男が喫煙する(煙を燻べる者) Fumeux fume par fumee》は、低音同士を重ねて段々と半音階的に動くため、声楽家はすっかり当惑してしまうようである。またこの曲は、当時の音楽としては最も低い声域が含まれている。ソラージュは、ギヨーム・ド・マショーの甥っ子も所属した「愛煙家団体」を諷刺しているのである。煙草がヨーロッパに伝わる2世紀も前の話なので、この歌に出てくる煙とは大麻か阿片のことであろう。音楽は麻薬に酔い痴れた芸術家の感じをうまく表現している。
ソラージュ作曲に帰されている作品は10点しかないが、様式的な見地によるとさらに2曲をソラージュ作品に見做しうる。その12曲はすべて『シャンティー写本』に含まれており、その内訳は、9曲のバラード、2曲のヴィルレー、1曲のロンドーとなっている。
※ アルス・スブティリオル(Ars subtilior)は、14世紀末から15世紀初頭のフランスや北イタリアにおける、極度に複雑で技巧的な音楽様式で、20世紀になって命名されたものである。アルス・スブティリオルとは、「より繊細な技法」を意味する。アルス・スブティリオルは、マショーの死後にアルス・ノーヴァの様式がより洗練され複雑化したものである。極度に技巧を凝らしたリズムの複雑さは西洋音楽史上でも他に類を見ない。 主なジャンルは、バラード、ヴィルレー、ロンドーといった世俗歌曲である。アルス・スブティリオルの時代は教会大分裂(シスマ)の頃で、様々な権力の対立が見られ、オスマン帝国の侵入、黒死病の大流行など、多くの社会不安が存在した時代であった。
アルス・スブティリオルの代表的な作曲家として、アントネッロ・デ・カゼルタ、フィリップス・デ・カゼルタ、ヨハンネス・チコーニア、ボード・コルディエ、マルティヌス・ファブリ、マッテオ・ダ・ペルージャ、ジャコブ・ド・サンレーシュ、ソラージュなどが挙げられ、シャンティー写本やモデナ写本などで作品が伝えられている。
アルス・スブティリオルの作曲家は、時にその楽譜の形態においても奇想を凝らしている。ボード・コルディエのカノンTous par compas は円形の楽譜に書かれ、ロンドーBelle, bonne, sage の楽譜はハート型をしている。ジャコブ・ド・サンレーシュのLa harpe de melodie の楽譜はハープの絵の中に書かれ、譜線をハープの弦に見立てている。
ソラージュ ◇公開日: 2012年11月24日 |
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